「格差・分断の広がりとメディアのあり方」を考える研究会について

2020.11.26
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スマートニュース メディア研究所に発足した「格差・分断の広がりとメディアのあり方」を考える研究会の概要をご紹介します。

研究会概要

アメリカでは、「2つのアメリカ」と言われるほど、保守とリベラルの間の分断が激しくなっています。政治の分極化とともに、メディアの分極化も進んでいます。インターネットが社会の分断を加速しているとの調査結果も出されています。

日本の状況はどうでしょうか。インターネットの利用が排外意識を高めたり、ユーザーが見たいものしか見えなくなる「フィルターバブル」などによって、やはり分極化が進んでいるのでしょうか。

また、世代間によって新聞、テレビ、SNSなど接触するメディアの違いがありますが、それは社会にどういう影響を与えているのでしょうか。経済的な格差は、分極化とどうかかわっているのでしょうか。

もし日本でも分断が広がっているのであれば、この課題への対応に、オンラインメディアは何ができるのでしょうか。

2020年9月に発足したこの研究会では、行動経済学、社会心理学などの学者、ジャーナリストやメディア研究者など各界の専門家をお招きし、社内のエンジニアなどとともに議論することで、分極化とメディアの関係について、研究しています。いずれ専門家による論考なども、発表をしていく予定です。
(担当・宮崎洋子)

プロジェクトメンバー (2020年10月末現在)

大阪大学大学院経済学研究科 大竹文雄教授
大阪大学大学院人間科学研究科 三浦麻子教授
香港城市大学 メディア・コミュニケーション学部 小林哲郎准教授
神戸大学大学院経済学研究科 後藤潤講師
電通メディアイノベーションラボ 天野彬主任研究員
山脇岳志(弊社メディア研究所研究主幹)
など

研究成果

「日本・香港・アメリカにおけるニュースへの選択的接触」小林哲郎

「リスク情報の拡散メカニズムを社会心理学で読み解く」三浦麻子

「オンラインコミュニティにおける分断はなぜ生じるのか? インドでの実証研究から」後藤潤

「若年層に広がる『能動でも受動でもないニュース受容』」天野彬